祖父母と孫が面会交流する権利
探偵社の浮気調査

両親が離婚した子供にちゅいて、祖父母や子の世話をしてきた第三者は、家裁に調停を申し立てることができるが、調停が不成立になった場合、審判の申し立てはできないとする最高裁判例が示されました。

これによって、息子の不倫などが原因で離婚に至った場合、どれだけ祖父母が孫の面倒を見て可愛がっていたとしても、監護者の指定はおろか、面会交流について定める審判を申し立てることはできません。

事実上孫を監護してきた祖父母には権利無しという判例

令和3年3月29日の最高裁判所は、「祖父母は子の父母ではないから、家庭裁判所に対し、子の監護に関する処分として相手方らと本件子との面会交流について定める審判を申し立てることはできない。」との判断を示しました。

それによって、孫の親である子供が面会交流をする時に孫と会える可能性は残されているものの、親権（※正確には監護権）をもつ側が子供と祖父母の面会交流を拒んだ場合、祖父母が孫と会うことができないという状況が生じてしまいます。

いくら面倒をみていようが孫を愛していようが、孫も祖父母との交流を望んでいたとしても、孫と会うことを申し立てる権利がないことが確定された判例になります。

状況的には自分の子供が孫との面会交流を望まないケースや、先に子供が亡くなり、元配偶者が子供と義父母と会うのを拒むケースなどが考えられるでしょう。

この判例について詳しくお知りになりたい方は裁判所ホームページの「令和２年（許）第４号 子の監護に関する処分（面会交流）申立て却下審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件令和３年３月２９日 第一小法廷決定」でご検索ください。

離婚後も祖父母が孫と会うのに必要なこと

不父母が子供の離婚後も孫と会い続けられるのに一番良いのは、祖父母の子供（孫の父または母）が親権（監護権）を持つことであるのは言うまでもありません。

ただ、親権が相手側になってしまった場合に孫と会えるのは「①親権者がこれまで通り孫との交流を認める」「②親との面会交流の際に会う」といった条件が必要になります。

いずれにせよ、祖父母と親権者との関係が悪ければ会える可能性が低くなってなってしまうのは避けられなくなりますので、離婚するのは当事者間のことだとしても、義理の娘（息子）と良好な関係を保っておくのは重要なポイントといえるでしょう。

不倫が原因で離婚するとしても孫と一緒にいたい

子供夫婦がどちらかの不倫が原因で離婚することになった場合、親としては自分の子供側についてしまうことは致し方がないことです。

しかしながら、離婚後にお子さんが親権者とならなかった場合、孫と会えなくなる可能性は考えておかないといけません。

お子さん夫婦が不倫を原因とした離婚に至るには、以下の５パターンが考えられます。

1. 息子が不倫をして離婚
2. 息子の妻が不倫をして離婚
3. 娘の夫が不倫をして離婚
4. 娘が不倫をして離婚
5. 双方が不倫をしての離婚

子の連れ去りなど特殊な状況ではなく、一般的な親権争いになった場合、問題になるのは①②⑤のケースになります。
中でも①のケースはフォローできるとしても、②や⑤のケースは息子と一緒になって義理の娘を責めてしまうことが多々あります。

嫁の不倫という事実が判明した場合、息子さんが感情的になってしまう気持ちは理解できますが、一般的に離婚と不倫は別問題として考えられますので、たとえお嫁さんが不貞をしたとしても育児放棄や虐待など特殊な事情でもいない限り、親権はお嫁さん側になることが多いということは、今後のお孫さんとの関係で大きなポイントといえます。

内孫や外孫という考えが問題を複雑化させることも

三重県のような地方都市では内孫や外孫といった考え方が問題を複雑化させる原因にもなります。
祖父母にとっては「内孫は譲れない！」という考えになるかもしれませんが、法律上は内孫も外孫もありません。

様々な思いがあるでしょうが、先に起きうる問題を想定し、賢明な対応をされることをお勧めします。

孫と一緒に暮らし続けるには？

祖父母が子供の離婚後も孫と一緒に暮らし続けるには、お子さんが親権者となることが真っ先に挙げられます。
親権については本サイト内「ガル離婚相談室-子供の親権問題と養育費-」にて取り上げておりますのでご参照ください。

お子さんが親権者とならずにお孫さんと暮らしていくケースとしては、お子さんが家を出て親権者となられた元配偶者が自宅に残るなど特殊な事例のみとなりますが、それもずっと続くとは限られませんので、残った元配偶者やお孫さんにとって何が一番良いのか考える必要があるでしょう。

子供か孫かの選択を決断しなければならないことも

地方ではよくある長男夫婦との同居。
同じ敷地内に長男夫婦が家を建てるというケースも一般的です。

そこで長男の不倫が原因で妻が離婚を決意するような問題が生じた時、妻側が親権者になれば祖父母は孫と会える権利は喪失することになります。

統計としては多くない割合になりますが、そういった時に祖父母が長男を勘当して自宅から追い出し、お嫁さんと孫との生活を選ぶケースがあります。
これはあくまでお嫁さんの自由意思に基づくものになりますので、お嫁さんが納得されたらということになりますが、少なからずある離婚後の生活例です。

浮気調査コラム 筆者紹介

探偵 矢橋克純

探偵社ガルエージェンシー伊勢湾・三重・名古屋駅西代表
ガル探偵学校名古屋校校長
ガルエージェンシー代理店統括事業部

出演テレビ番組多数
ラジオ番組コメンテイター、各種雑誌にて連載を執筆中

地域に根を張った探偵・興信業務を行い、東海・近畿地区には独自のネットワークが確立されており、特に三重県内での調査には絶対の自信があります。

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